アメリカ不妊治療記

ICSI(体外・顕微授精)PGT-Aで妊娠・出産⇒第二子不妊治療

不妊治療専門保険Progynyとは?

色々あって妊活を休止していて、拠点をアメリカに移しました。

夫の勤めている会社の保険で不妊治療がカバーされないか?と調べてみると、Progynyという不妊治療専門保険会社と契約していることが判明しました。

医療費が高額でいろいろと煩雑なアメリカですが、そんな場所ならではで近年活躍の場を広げているのがこういった不妊治療専門の保険会社です。なかなか情報にたどり着けなかったため、数回に分けて私が利用しているサービスについてまとめておこうと思います。

↓↓↓ 実際の試用手順についてはこちらの記事をどうぞ

Progyny利用までの手順とサイクルのカウント方法 - アメリカ不妊治療記

不妊治療専門の保険とは?

保険の仕組みがややこしいアメリカ。

私が今回サービスを利用することになったProgynyをはじめ、不妊治療専門保険会社の役割は、不妊治療に関わる全ての煩わしい手続きを引き受ける事で、働きながら不妊治療をしやすい会社環境を整えるというところにありそうです。

そのためProgynyは、会社がパートナーになっていないと利用できないサービスです。
上記で書いたように、社員の福利厚生の一環として不妊治療を進めやすい仕組みをサポートする、というのが狙いのようなので、個人で直接契約はできません。

社員側にサービス利用費用は一切かかりません。会社側にProgynyとのパートナー契約料や、各保険会社との特殊契約があるのかなと想像します。

会社が負担をしてまで契約をするメリットとしては、福利厚生としてこのような保険を提供することで社員の家族形成の計画がしやすくなり、就職、勤務継続の魅力となるため、より良質な人材を集められたり人材離れを防ぐことに一役買っているのだと思います。

特に私が調べていたところでは、テック業界の大手がより保険適用の上限が大きく、サポートに力を入れているように感じました。
州によっては保険を適用できるところもあるようなのですが、保険を使う条件もあるようです。ちなみに私は治療を始めて5年以上の病歴がないと保険が適用されない州にいます。また、完全に原因がわかる病気がないと適用できないようです。
その場合でも、会社がこのサービスと提携し、保障をしてくれているので、治療に保険を適用するための前提条件がありませんでした。
自分たちの望む治療を望むタイミングで、保障の範囲内で予定を立てて行っていくことができています。

利用する側のメリット

日本での不妊治療をしたことがないので、比較はそこまで詳しくできませんが、少なくとも

  1. ファーストコンサルテーションは2回まで無料(血液検査費用は取られました)
  2. 保険会社への承認をProgynyが行う
  3. 薬の処方もProgynyの薬局部を通して行われる
  4. 各サービスからの請求先は常にProgyny。支払いはProgynyへするだけ。
  5. 会社の保険適用サイクル上限のみ気にしていればいい

と言うところで、アメリカ独特のクリニック、ラボ、薬局、病院と検査事に色々なところに紹介を送られ、別々にやり取りしたり、支払いを交渉したりしなければいけないという面倒はありません。

なんと言っても前項で書いたように、保険会社や州の保険適用の条件に引っ掻き回される事がないのは、大きな利用者のメリットだと思いました。

また、Progynyのメンバー専用プラットフォームがあり、

  1. 担当者とのメールやり取り
  2. 不妊治療に関わる保険承認管理
  3. 請求費用の詳細確認
  4. 消費サイクルチェック※
  5. 妊活や不妊治療にまつわる情報まとめサイト
  6. メンタルヘルスのケア

と、色々トータルでサポートされているのが特徴です。

↓↓↓ サイクルについてはこちらの記事をどうぞ

Progyny利用までの手順とサイクルのカウント方法 - アメリカ不妊治療記

不妊治療保険適応の仕組み(更新)

不妊治療に関わる請求はProgynyを通じて行われるのですが、Progynyを通すことで通常保険適応外となる不妊治療費でも通常保険のディダクティブルを消費することができ、その他治療と同じ様にディダクティブル上限に達すればそれ以降は少ない割合負担(さらに金額が支払いのMAXに達した時点で無料)で治療を受けられる事になります。Progynyの補償が他の保険会社の補償と同様のシステム内で共存し機能しているというようなイメージです。

※更新※
最初は上記のようなイメージだったのですが、使用していくうちに、Progynyは保険会社であり通常の保険会社ではない、というのがはっきりしてきました。

本当に詳しい仕組みまではわからないので、ざっと私の利用している中での印象でしかないのですが…。
『クリニックなどのサービス提供者・保険会社・契約者を取り持つ存在』というのが一番しっくりくる説明になるような気がします。
通常だと、クリニックや患者が事前に保険会社へ承認をお願いするというステップがあり、そこにかなりの時間と労力を使う必要がありそうなのですが、ここにProgynyが入る事によって、患者側からProgynyにさえ事前承認をお願いしておけば、保険会社とのやり取りはすべてProgynyが担い、クリニックやその他サービス提供者も請求はすべてProgynyとのやり取りだけで済みます。

また、不妊治療に保険適用をさせてくれているのは各会社になります。(そのため、会社によって保障をするサイクルが違う。)
会社が不妊治療の保険適用範囲を決めているので、それなりに費用もかけているでしょう。それもあって、保険会社から治療開始の邪魔をされることがないのかなと思います。

日本の保険適用支払い費用に比べると、ディダクティブル上限までが一気に支出が増えて大変な気はしますが、最大で払う金額が最初に目途がつくので、そこだけ腹をくくっていれば、毎回いくらだろう…とおびえることがなくなります。

また、Primary保険にProgyny、Secondaryに通常保険を適応させるようにクリニックに申請をするため、もしProgynyが除外している治療等であっても、常時の保険がカバーするならそちらへ保険の適用をリクエストすればよいということになります。

メンバー側がしなければならないこと

  • サービスを受ける際にProgynyメンバーであることを確実に伝える
  • Progynyへ治療の事前承認を受ける
  • オンラインで支払いをする
  • 薬の配達日を調整する

まず、クリニックを予約する際(また、ラボに書類を出す際)に、第1保険としてProgynyを、第2保険として他の通常の保険の情報を提出します。

きちんと全ての治療や検査がProgynyを通して行われるよう、治療開始初回のアポイントメント前にオーソライゼーションをリクエストする必要があります。(IVFの場合は、承認に時間がかかるので、開始予定日の目途がついた時点でリクエスト可能です)

次に、ポータルに支払いの請求が上がるので、そちらからどのくらい請求がきそうかを把握することができます。支払いは、メールでお支払いの連絡が来るので、その時にリンクから支払えばOKです。

そして実際のトリートメントが始まったら、薬の処方に関連してProgyny薬剤部との電話でのスケジュール調整などのやり取りが発生します。(地域により提携薬局が違うと思うので、薬局のアプリでのやり取りの場合もあります)

実際の通院・治療に関する事は通常通り、クリニックとのやり取りです。

このような保険を使うためには

最初に書いたように、Progynyは会社との契約になっているため、利用するには会社がパートナーになっている必要があります。不妊治療で困っている方がいれば、Progynyとの契約のある会社を探して就職するのも手です。

各々の会社でどれくらいのサイクル数が与えられるか?といった情報交換をしている掲示板も出てきます。やはり高額な不妊治療は会社側にそのサポートがあるだけでも転職の魅力になっているようです。

※パートナーだけが契約のある会社にいる場合でも利用は可能ですので、どちらかが所属する会社で契約があればカップルで利用できます。(私は専業主婦なのでまさにこれ)

最大の特徴

ちなみに、保険は異性カップルに限らずあらゆる従業員が子供が欲しいと思ったときに利用できるサービスとして作られています。そのため、本人の卵子や精子の凍結、代理出産、養子縁組まで色々な状況のカップル、もしくはシングルに合わせたサポートが幅広いのが魅力だなと思います。

勿論異性カップルでも最初から、もしくは治療の途中で養子縁組を希望される方もいらっしゃると思いますし、それに保険を適応できるのは良い驚きでした。